選択肢は多い

ハート

回復期も油断しない

うつ病の治療は進化しており、患者側からすると選択肢が増えています。たとえば、ある方法が効かなかったり、抗うつ剤などで副作用のために服用の中止を余儀なくされたりした場合でも、それなら別の方法でと選択の余地が広くなってきています。基本的には有効率70パーセント程度といわれている抗うつ剤をメインにした薬物治療が中心となり、急性期から回復期にかけては休養しながらこの治療を進めていくことがほとんどです。また、支持的精神療法といわれる症状を把握するためなどに行われるカウンセリングや病気を理解するための教育も行われます。ただし、抗うつ剤では症状が緩和されないタイプもあります。その場合、治療をスタートさせ、3か月過ぎたあたりから難治性タイプとしての治療を考えていくのが一般的です。難治性の場合も薬物治療を試みますが、通電療法が有効とされています。これは一種のショック療法ではありますが、安全性も高く副作用も少ないです。そして、抗うつ剤の有効率70パーセントよりも高い90パーセントを超える有効性を持っています。ただし、日本では限られた医療機関でしか行っていないため、近くにあれば検討したい方法です。たいていの人は休養しながら十分な抗うつ剤を規則正しく服用し続けることで、やがては回復してきます。その期間に個人差はありますが、受診したころに感じていた苦痛は3か月程度で消え、遅くても半年経過すれば多くの人が回復します。しかし、うつ病の治療で最も危険なのがこの回復期です。症状が回復したとはいえ、非常に不安定な状態であるため、感情リズムが再び乱れ症状が悪くなることも少なくありません。回復期は失っていた意欲が元の状態に戻るため、早く元の生活に戻ろうと焦って行動してしまいがちです。この期間も抗うつ剤を勝手に服用中止することなく飲み続けることはもちろんですが、加えて職場復帰などを急にしないことが大事です。症状がなくなり、大丈夫だと感じてもそこから1、2か月ぐらいは復帰するための準備期間としてのんびりと過ごしながら、まずは1日の生活リズムから整えていくことが大切になります。そして復職に関してもいきなりフルタイムではなく、リハビリ出勤を経て復帰することが重要です。主治医と職場との連携がきちんと取れてから復職するのが無難です。